■上記の文章は岩手県八幡平市(旧安代町・松尾村・西根町)周辺地域に伝わる話・噂をまとめたものである。
そもそも大正から昭和初期にかけての松尾村周辺の地図が現存していない(ほぼ皆無…)ことから、村があった場所を特定することはかなり困難を極めると思われる。しかし、この【穂々神村】の存在を証明する人々が現在少数ではあるが存在することも確かである。
書物による記録がないのが残念ではあるが、
口伝による伝承を行っている地域もあった。
(ある意味この書物による記録がないというのは
「記録したくない事実(神隠し?)」があったと考えることも出来るのではないだろうか…またこの地域に伝わる村に関する口伝や伝承も教訓や戒めといった意味合いのものが多かった)

そして口伝や伝承で
【穂々神村】の存在を肯定する人々がいる地域を集計すると、
旧松尾村が最も多く、続いて旧西根町西部と旧安代町南部、
最後に滝沢村、玉山村、岩手町、雫石町の地域で極一部、という結果がでた。
(盛岡市より南部、葛巻町より東部、九戸村より北部では【穂々神村】の口伝や伝承を伝える人は皆無で、そのような村の話を聞くこと自体が初めての人がほとんどだった)
このような事は日本北部特有の閉鎖的環境下でおこる事象であり、生まれた土地から離れたくないという土着民が多いことからもこの村自体の話が飛散していないのではないかと考えられる。またそのような理由から、今までこの【穂々神村】の存在が
公の場に出てこなかったのではないだろうか。
以上の事を総括すると、
旧松尾村に【穂々神村】が存在したと推測するのが一番可能性が高く、妥当な線ともいえる。
では【穂々神村】はいったい旧松尾村のどこに存在したのだろうか………